対談

第5回の対談は平成31年度会長唐原健太郎君と令和2年度会長池田卓史君の新旧会長対談が実現しました。
コロナの影響で対談実現が年度末となりましたが、大自青のこれからと会長としての1年間を振り返っていただきました。

平成31年度を振り返って

唐原 私の年度では、今までの先輩方から受け取った恩を未来の人たちに送っていくという目的で、スローガンを「恩送り」にしました。メンバー一人一人の成長を重視しておりましたので、多くの方に今まで就いたことのない役職を経験していただきました。1年終わった後は今までできなかったことができるようになって、それをまた次に繋いでいける、メンバー全員の底上げを目標にしました。はじめは慣れなくて大変な部分もありましたが、結果、皆さん一人一人が与えられた役職に真剣に取り組んでくださったおかげで1年やってこれました。本当にメンバーの皆さんには感謝しています。新しい役職に挑戦することで、学んだことを次の方に教えて繋げていけるような組織づくりを意識していました。

池田 唐原さんは「メンバー全員が成長してほしい」と言い続けていましたよね。

唐原 皆さんに今までにない事業や役職をしていただいたのは、新しい視点からものごとを見たり、新しい発想をする機会を持って欲しいという理由もありました。
新しい概念で新しい発想を生み出していくことが、この業界では今後とても重要になると考えています。ですので、新しいことへの創造や挑戦する機会を産むための委員会を立ち上げました。リーダーを務めていただいた皆さんには、悩みながら、問題解決をしながら、道なき道を進んでいただきました。苦労も多かったと思いますが、本人達もやってよかったと言ってくれたので会長としても嬉しかったです。

次年度へ引き継ぐにあたって

唐原 さあこれから次年度へ引き継ぐとなったときにコロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発令され、このまま池田会長にバトンを渡していいのかとても悩みましたし、話し合いもしました。何もできない状態になることが懸念されたので、もう1年私が会長を務めて、万全な状態になってから池田会長へ引き継いだ方がいいのではないかと考えていました。

引き継ぐことは決まっている中でしたので、私にとっては次年度会長の池田さんがどうしたいかが一番重要でした。そのような状況の中でも熱い思いで引き継いでいただいたことはありがたかったです。池田会長にはしんどいことも楽しんで乗り越えてほしい。それをできる限り直前会長としてバックアップしたいと思っていました。

池田 確かにバトンを引き継ぐときは1年ずらすという話をいただきました。私としては、1年ずらすことで会長という大きな成長の機会を得ることができる人が、1人減ってしまうことに抵抗がありました。しっかり送っていただいた恩なので、僕のところで繋ぐ覚悟で引き受けさせていただきました。コロナで厳しい状態でしたが、温かい心を込めたバトンを受け取りました。

唐原 次年度の池田会長に期待することとしては、僕のスローガンである「恩送り」を少しでも次に送ってほしいということだけでした。周りでは活動が止まってしまう組織もあった中で、1年間活動を止めずに動かしてくれたことが、メンバーにとっても学びになったと思います。

アドバイスというほどではないのですが、池田さんには大きな役割を担っていただいたので、プレッシャーからか最初はから回ってしまう部分がありました。伝え方の部分では池田会長自身が学ぶ伸びしろがあると思っていました。本来は言いたいことをそのまま言うタイプだったので、言葉の発し方や伝えかたについてすごく勉強されたと思います。

池田 困ったり悩んだときは唐原さんによく相談に乗っていただき本当に助かりました。

唐原 僕も相談してもらえることがありがたかったです。

池田 直前会長と会長という関係は1年しか経験できないので、ずっと、背中をすーっと押してくれているような感覚でした。

唐原 押しすぎると変な感じになるんですよ。頼りたいときに頼れるひじかけみたいなかんじでいるように心がけました。表に出てあーだこーだとは言いたくなかったので、極力カバーする発言を意識していました。暴走し始めたときは裏からちょっと注意するくらいで。

池田 精神的な部分でとても支えてもらいました。唐原さんは優しい方なので、いつでも前向きな優しいアドバイスをもらっていました。

唐原 メンバーの中に連絡が付かない人が出てきたりすると、僕から電話したり他の人から連絡してもらったりと周りからも会長をフォローできるようにしていましたね。いろんな境遇のメンバーがいる中で、上手く工夫しないと会が上手く進まなかったりしますよね。

池田 唐原さんは僕より若いけど、15年も会歴があって経験則も持っているし視野も広い。OBさんのこともよく知っているので、自分がコロナ禍で会活動に専念するために、会の中でやっていること以外の外堀を上手く対応していただきました。

業界を盛り上げるには

唐原 会のメリットはいろんな知恵が集まるところだと思います。この業界では一人でやるのに限界がある。1つの会社よりも何社も集まっていろんなことを推し進めていくっていう部分に関しては自動車業界にとって大自青は最後の切り札です。これだけ若い経営者が集まって業界のことを考えているのは大自青しかない。この中のメンバーが10年後20年後も業界を牽引していく人材になると思うので、大自青を盛り上げることが自動車業界を盛り上げることになる感じています。何も経験なくいきなり自動車業界を引っ張っていくことはできないので、大自青がなくなったら業界を背負ってやっていきたいという人自体がいなくなってしまう。業界を牽引していく人をつくるのが大自青の役割です。

池田 コロナの厳しい状態で休会や延期のお話もありましたが、唐原さんが熱い思いでやってくれた1年を今自分がこのタイミングで受け継いだのには意味があると思っています。本来やりたかったことができたのはごく一部で、他は再三の修正や見直しが必要でした。それでも会を止めないことが大事だと考えています。大阪を盛り上げていくために、長年に亘り引き継いでいただいた恩を止める訳にはいかないと思いました。

唐原 大阪の自動車業界を盛り上げるために大自青は重要なので、止めずに活動を続けてくれたことに本当に感謝しています。自動車業界は今後10年で法律やあり方が抜本的に変わるので、変化についていくだけでなく進化して、あり方が変わっていくと思います。それでも思いは変わらずにいたいですね。一番大切なのは自動車の安全性。これはいつまでも変わらないので、お客様に安心を提供することは変わりません。

池田 未来について話すと、世界の自動車業界での革新はEVから始まりコンピューター化されて、整備もコンピューターでできるようになって、一見とても暗いものになってしまいますが、それはメーカーの話ですよね。

唐原 いろんなやり方がありますよね。新しいエコカーに乗るよりも、古い車を修理して乗る方がエコだという考え方もあります。暗い話もあるけど思いは変わらずやっていきたいです。

池田 僕たち整備業界は車の仕事であるけれど、実際は目の前のお客さんのニーズに応える仕事でもあります。古い車に愛着を持って乗っている人たちの車のお世話をすることを考えると、全然未来は暗くない。まだまだやっていけると思います。みんなと同じ方向を見る必要はなくて、活路をどこに見出すかを見極めることが大自青の役割でもあります。

唐原 私も日々進歩で、新しいものと古いものを掛け合わせることを日々考えています。

池田 唐原さんのところではオリジナルパーツを作っていますよね。今年度、大自青でも共有していただいて皆で勉強させていただきました。

唐原 整備をしていると、なかなか新しいものを作って提供するという発想になりにくいですよね。この業界で生き残っていく一つのポイントとして、整備だけではなくて、自分で作ったものをサービスとして提供することもできるということを会でシェアさせていただきました。この業界で生き残っていく方法はいろいろあるので、それぞれが考えるきっかけになればと思っています。

池田 メーカーやディーラーには提供できないサービスや価値を提供していきたいですね。

令和2年度の会長として

池田 1年間しっかりやりきって、いただいたバトンを未来に渡すことを強く意識していました。唐原さんからもらった「恩送り」はとても自分の中にも残っていて。自分自身の成長もあるけど、唐原さんが「全員が成長してほしい」とおっしゃっていたことをどうかたちにするか一生懸命考えながらやらせてもらいました。私の所信も唐原さんと中原さんにとても影響を受けています。唐原さんが送ってくれた恩を自分が受け取るだけではなくて、感じたことをどうやってかたちにしていくか。いろいろスローガンは考えたのですが、いい土だと思うだけでは花は咲かないので、どう行動してその土の上で花を咲かせていくか、ということで「感動」というスローガンにしました。唐原年度はとてもいい一年でしたので、しっかり受け継いで次に繋げられるよう意識していました。

オカダ自動車工業株式会社

令和2年度会長池田 卓史

株式会社タック JIMKENTAC

平成31年度会長唐原 健太郎

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