会長挨拶

笑顔の未来へ

糀谷 考正

 現在、自動車業界はCASEに代表される100年に一度ともいわれる大変革期に直面しています。世界的な脱炭素の動きを受けた電気自動車の急速な普及、内燃機関自動車に対する規制の強化、ネットワークに接続した自動車などに対応することは自動車メーカーにとって避けられません。しかも優先順位をつけられず、同時進行での変革が求められています。そうした厳しい環境において、生き残りをかけて各メーカーはアライアンスを組んだり、経営統合をしたりと自身の変化もいとわない状況になっています。
 そして変革を求められているのはメーカーだけではありません。我々自動車整備業界においても、少子高齢化による人材不足、特定整備やOBD車検への対応など大変革が必要な時期が訪れています。自動車整備業界も含めて、自動車業界全体では今後、生き残る企業とそうでない企業の二極化が進むことが考えられます。

 本年度のスローガン「笑顔の未来へ」には、私たちが大阪自動車青年会議所(以下大自青)活動を通じて、自己研鑽に努め、社業を発展させ、業界を発展させ、いつか私たちに関わる全ての人が笑顔になる、その様な未来を目指したいとの思いを込めました。
 また本年、大自青は創立50周年を迎える年になります。現役メンバーが生まれる前から存在しているこの会には、諸先輩方が作り上げてきた輝かしい実績と歴史があります。
 時代やメンバーが変わっても、大自青の根底にある熱い思いは変わりません。そのことを私たちの行動で証明し、業界の発展を約束することで諸先輩方や関係官庁、関係諸団体へ感謝の気持ちをお伝えします。
 その為に本年度は総務広報委員会・50周年実行委員会・新時代創造委員会の3つの委員会を設置し、次の目的をもって活動を進めてまいります。

 総務広報委員会では、総会をはじめとする大自青の基幹となる役割を厳正に行い、大自青季報やホームページを利用し、積極的な事業の発信を行います。また、毎年行っている自動車整備専門学校への専業工場のPR活動においては、PR方法も含め改めて協議し、今まで以上に専業工場に興味を持って頂けるよう取り組んでまいります。

 50周年実行委員会では、半世紀もの間、業界発展のためにご尽力いただいた諸先輩方や、その活動にご理解とご協力をいただいた関係官庁、関係諸団体の皆様に感謝と敬意を表すると共に、私たち現役のメンバーも含めて、今後も業界発展のために協働していく仲間としての絆を深める機会を創り、次の世代に向けてのビジョンを発表します。また次の世代へ大自青活動を繋ぐ為に大自青結成50周年記念誌を発行します。

 私たちに関わる全ての人を笑顔にする為には、社業の発展がかかせません。その為には、新しい環境に対応し、技術力や対応力を向上し、しっかりと収益を上げ、強い企業になることが求められます。新時代創造委員会では5年後、10年後を見据えた新時代に対応する新たなビジネスアイデアの研究に取り組んでまいります。

 全メンバーで取り組む課題は、新入会員獲得です。私たちは同じ自動車整備事業者でありながら、多種多様な強みを持つ、同世代のメンバーが集まった会です。共に事業を行う中でお互いに刺激を与えあい、切磋琢磨し、自己研鑽に努めています。新しいメンバーと共に活動し、新しい考え方に触れることで、私たちの成長の機会が増えると考えます。その為に私たちは大自青の魅力を発信し、アンテナをしっかり張り、一人でも多くの会員獲得を目指します。

 以上のことに取り組むことで、今後どのような変化があっても、成長できる強い企業を作り、大自青が発展し続け、私たちに関わる全ての人が笑顔になり、その結果、自動車業界の発展につながると確信しています。

 結びになりますが、歴史のある大自青の会長という大役を仰せつかり、身の引き締まる思いです。まだまだ若輩者ではありますが、責任感を持って、明るく、楽しく、全力で活動してまいりますので、関係官庁、関係諸団体、先輩諸兄の絶大なるご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。

令和5年4月6日

大阪自動車青年会議所

会 長 糀谷 考正