第7回の対談は令和3年度会長辻野康仁君と令和4年度会長大森太朗君との新旧会長対談が実現しました。
大自青のこれからと会長としての1年間を振り返っていただきました。
令和3年度を振り返って
辻野
実は、会長には立候補で選ばれたわけではなかったんです。選考委員会で推薦していただきました。私は会歴も浅いし、最初は会長をするつもりはなかったんですが、池田前会長がコロナ禍で苦しみながら頑張っているのを見ていて、今だからこそ引き継がなければと思って引き受けました。その時に、やると決めたらからには楽しくやりきろうと決めていました。
一年を通して、例会のリアル開催にはこだわれたかなと思っています。やはりzoomでの開催は限界を感じていました。面白さが半減してしまって伝えたいことが伝わらない。まだまだコロナの影響があった中でしたが会は止めたくないので、リアル開催に踏み切るか諦めてzoomに切り替えるかの決断が必要な時もありました。皆の意見を聞いたり副会長にも助言をいただいて、何度も支えていただき感謝しています。
大森
副会長の立場としては、コロナの対応に慣れてきているところもあって前年度よりスムーズに進められたと思います。リアル開催の可否についても、会長が冷静に判断してくれていたと感じました。正直なところ、最初の時期はリアル開催にこだわるのは早かったかなとは感じましたが、かといって止めるほどではない状況でしたね。来年はこの2年間の経験を踏まえてリアル開催にこだわりたい。やはりzoomでは空気感が伝わりません。zoomはいい意味では脱線しないが、脱線しかけたところに良いヒントがあったりするのでそこを大切にしたいです。
今年も最後までリアルでしたかったのですが3月例会は残念でしたね。
辻野 3月はとても残念でしたが、仕方がなかったですね。リアル開催ができた新年例会にはOB会員さんも沢山来ていただいて、とても驚いたと同時に嬉しかったです。
大森 コロナでなければもっと集まっていたでしょうね。ただ周りに迷惑かける結果になってしまう可能性もあるので、こればかりは仕方がないです。
辻野 最近はっとしたのが、会歴の浅いメンバーや役員でない人に大自青の情報を上手く伝達できていないことです。総会や議決権の意味合いなど、伝えられてない部分がある。来期の直前会長としてはそのあたりもしっかりフォローしていきたいです。
新会長に期待すること
辻野
就任当初は、「自分のカラーを出さないとあかんで」と周りの方にアドバイスいただいていました。大自青でやりたいこともたくさんあったし、5月頃はとても力んでいました。周りのバックアップもあって、実現したいことはやろうと思えばできたと思います。でもコロナ禍の池田年度で学んだことは、閉じる勇気の大切さでした。やりたいことを実現するには沢山の人を巻き込む必要がある。皆で協力して準備も力を入れてやったのに、コロナでリアル開催を断念せざるをえないことがありました。とても申し訳なくて。その時に、やりたくてやったことが正しかったのか、自分のカラーとは何か、とても悩みました。
大森さんも、自分のカラーを出すようにアドバイスを受けていると思いますが、今年は近青協というイベントがあるので、コロナが落ち着いていても自分のカラーが出しにくいのではないでしょうか。
大森
中止になった例会については、方向性も定まっていたし、やりたいことをやるのは問題ないと思います。コロナがなかったら成功していたと考えてます。
カラーについては、実はそんなに自分のカラーはなくて。やる気のある人がしっかりと自由にやるのがいいと思っています。「会長のカラー」はあるようでなくて、大自青としてのカラーを出していきたいですね。今年度のスローガンというよりも、大自青のスローガンを大切に受け継いでいきたいです。
そして今年もリアル開催にこだわりたい。これからはコロナと共存できる体制が求められてきます。zoomが悪いのではなくて、会議や少人数の委員会ではzoomを積極的に活用していきたいです。
辻野 カラーに関しては同意見です。それぞれが持っているオリジナルの大自青のカラーを潰したくないですね。それぞれのメンバーから上がってくるアイデアを実現するために、役員会が道筋を築いていく取り組みをしたい。
大森 私も、下から出てくる意見は積極的に活かしていきたいと考えています。
辻野 これは振り返りと次年度への課題にもなりますが、役員会全員が意見を言いやすい環境にしたい。もっと思っていることを言ってほしいですね。
大森
少し発言しづらい雰囲気がありますよね。皆が発言しやすい環境があればもっといい意見が出ると思う。
あとはそれぞれが当事者意識を持つことも大切だと思います。大自青では献血活動を行っていますが、自分が献血に行くことで、社会貢献の大切さに気づきました。
会員拡大にも同じことが言えて、会を運営することにそれぞれが携わっている意識を持ってもらえるようにしたい。忙しくて参加できなくても、この会の一員である意識を強く持ってほしいです。
辻野 当事者目線で見てみると意識が変わって、自分の行動にも変化が起こりますよね。献血活動も企画から携わってみると、献血に来てくれたらとても嬉しかったり、来てくれた人の想いに感謝している自分に気づきました。それからは個人的に献血には行くようにしています。献血活動は自分ではできないので、大自青にいたからこそ得られた経験でした。
大森 そういった見えない成長はたくさんありますよね。自分が担当している役割を、わからないなりにでもこなしていると、新しい経験が積み重なって見えない成長になっていく。大自青の魅力は、そういった経験から成長ができることや、車屋という横の繋がりからたくさん学べることです。大自青の魅力を発信していけば、会員拡大もできると思います。
自動車業界の未来について
辻野 大阪の整備専門学校に今まで2回行かせていただいて、学生さんに話をさせていただきました。電気自動車の台頭で車屋や整備業は斜陽産業という情報が周りには多いので、学生さんにはネガティブなイメージがあるようでした。学生さんには、「ここに来ているのは自動車業界が良くなることを信じているメンバーであり、だからこそ時間やお金を使って大自青を運営している。整備士になりたいなら業界がよくなることを信じてほしい。でないといいものはできない。」と伝えさせてもらいました。ネガティブなことばかり言っても何も変わらない。電気自動車に移行するならそれに合わせていけばいいんです。それは経営的発想や設備投資の問題で、電気自動車の面白味を会社の事業に取り入れたらいいと思う。
大森 電気自動車が台頭しても車がなくなるわけではないので、私は比較的楽観的に捉えてますね。オイルまみれになって整備をしていたのが、パソコンに向かって整備をするようになるだけで、どんな事業をしていても軸足が車屋にあれば未来は決して暗くはない。ひとりひとりが真剣に取り組んでいれば突然なくなることはありません。電気自動車になっても自動運転になっても、修理は必要ですしね。車を運転する喜びや楽しさは人間からはなくならないはずです。
辻野 人が移動する欲求はなくなりませんよね。状況が変わったなら、知恵を付けて情報を精査して、お客さんに喜んでもらえることを考える。大自青はそれを学ぶ場所です。未来に危機感がないわけではないですが、業界が変化しても、生き残る会社にしていくことしか考えていないです。
跡継ぎについて
大森 私も、どんな状況になっても生き残れる会社にしていきたいと思っています。でも、自分の子供に会社の跡を継がせたいかどうかと言ったら別ですけどね。
辻野 それ、大森さんに伺ってみたかったんです。以前の例会で、中原さんが唐原さんのお父さんにインタビューしたことがあって、カリスマ社長である唐原社長がなぜ息子である健太郎さんに跡を継がせたのかという話の回答がとても印象的でした。答えはとてもシンプルで、「皆、車屋が楽しいから経営しているんじゃないの?楽しいと思っていることを子供にやらせて何が悪いのか?」と。私にとってはかなり衝撃的でした。そんなにきっぱりと言えるのは、本当に純粋に車屋が好きだからなんだなと。社長はしんどいことも結構たくさんあると感じているので、自分の中ではそこがストッパーになっていて、なかなかそんな風には考えていませんでした。
大森 私は二代目ですが、会社を継ぎたいとかは全くありませんでした。でも、子供の頃から周りから二代目と言われて、継がないという選択肢は自分の中になかったし、宿命だと思っていたので、学校も就職先も、会社を継ぐのに必要なことを自ずと選択していました。本来は証券会社とかそっちの方に興味があったんですが、だからといって今の生活に不満があるわけではなくて。跡継ぎも、子供がやりたくないと言うならやらせるつもりはないし、自由にさせたい。でも継ぐなら、覚悟を持てるように教育してあげないといけないと思っています。いつも父親から言われるのが、「社長は船頭だから、2歩も3歩も先を見据えないといけない。船を動かすのは他の人に任せて、方向性を見極めなさい」ということです。偉そうに言うつもりは全くないのですが、経営者の悩みは周りのサラリーマンの友達にはなかなかわかってもらえないこともあって。そんな中で大自青は経営者の集まりなので、いろんな経験談を聞けたり悩みを相談したりできるのがこの会のいいところだと感じています。
令和4年度の会長として
大森 大自青のスローガンに「社会的地位の向上を図ろう」という一文がありますが、大自青の社会的地位向上ではなくて、自分達の仕事に対しての地位向上のためにできることを考えていきたいです。人に感謝すること、社会貢献をすること、人を育てること、自分自身を成長させること、それができる会にしていきたいです。今年のスローガンもありますが、大自青の元からあるスローガンを基準にしっかりとやっていきたいと思っています。
辻野 あのスローガンはよくできていると思います。立ち返るところですよね。
大森 そうですね。今年度のスローガンよりも、大自青のスローガンを徹底してもう一度考え直してもらえるようにしたいです。そこに全部行きつくはずだと考えています。若い人にそういう空気感が少ない気がするので、しっかりと会全体で徹底していけるような一年にしたいと思います。
株式会社大森自動車
令和4年度会長大森 太朗
株式会社辻野モータース
令和3年度会長辻野 康仁