第4回の対談は平成30年度会長中原智君と平成31年度会長唐原健太郎君の新旧会長対談が実現しました。
大自青のこれからと大阪の自動車業界のこれからについて、語っていただきました。
一年を振り返って
中原
丁度一年前に前会長の辻野さんと対談をさせていただいてから、本当にあっという間の一年でした。
この一年間を振り返って、やり抜いたというよりも、やり残した気持ちが少し大きい気がします。
会長に就任した当初はもっと初歩的なことから進むのかとイメージしておりましたが、会員の皆さんのスキルがイメージしていたよりも高く、もっと色々な講習やイベントなどができたなと思ったからです。
これだけの高いスキルをお持ちならば、もっと皆さんの力を引き出すことができる内容を、ご提案することができたのになとやり残した気持ちになりました。
一昨年に開催したモーターフェスでは、副会長として運営を任せていただき、携わるメンバー全員が一丸となって一つの物を作り上げ、成し遂げるという、いい流れを作り出せたので、その流れを次期会長にも引き継いでいただき、さらに盛り上げていければいいなと思っています。
唐原
モーターフェスに僕も携わらせていただき、会長や携わるメンバーの意向を、うまくメンバーのモチベーションもあげつつ、かつ会長の思いを伝える為に、色々な意見を入れて、しっかりとしたイメージの中で委員会が盛り上がり、その中で会員の皆さんが色々な経験をつんで成長してもらうのが一番だと思い、メンバーと共に突き進んで参りました。当初は開催に向けての激務で、ネガティブな話も出たりもしましたが、とにかく経験が大事だ言い聞かせ、何のためにやているのか?誰の為にやっているのか?もう一度考え直し、携わるメンバー全員で一つのものを作っていくという工程を、モーターフェスの開催を通して再確認できた、そんな一年でした。
後半期は会長になろうと立候補をし、承認していただいて、じゃぁ、自分が会長になるのであればどういった会長になろうか?どういった会にしていこうか、なにができるのだろうかと考えたり、会長に立候補するにあたっての初心を作っていく中で、今まで大自青が行なってきた物の中で行政や振興会との関わりであったり、なぜ大自青ができ、僕たちの役割とはなんなのかを振り返って考え直した、会長予定者段階での半期になりました。
中原
色々とありましたが、楽しい一年だったと思います。
会主としてというのも変なのですが、皆さんがそれぞれに考え、動いてひとつの物を作り上げて行ったり、また、会としても45周年や、当番幹事など、割と大事な一年だったかなと思います。
そんな中、副会長としての手腕をしっかりと発揮していただいて、臨時総会が終わってから非常にいい流れで、うまくバトンタッチでき、いい流れで半期を過ごすことができたなと感じました。
肩の荷がだんだんと降りていくのが自分自身でも感じ取れ、毎年こういう形で引き継がれているんだなと感じました。
2018年度総括と2019年の展望
中原
2018年度としては、会は節目の45周年ということと、当番幹事が4年に一度の大きな仕事を皆さんの支えもあって果たせたということと、新しいことにチャレンジしていくという昨年度のスローガンで掲げさせてもらった「大胆かつ繊細に、今こそ勇気ある一歩を」という思いを私は大事に何事にもチャレンジしていけるようなことを主に皆さんの力をかりてやってこれたのかなと思います。本当にいい一年でした。
2019年度の展望として、唐原会長が思い描くものはどんなものでしょうか?
唐原
45周年が終わって、次に目指すところとしては50周年、50周年に向けて、何を50周年までに用意しておくかということをこれから考えて、その節目の時にはある程度の活動、講習を踏まえ、60周年に向けてこうしていきますというような、50周年が終わっても次の年、新たな一歩をという未来を見た会にしていきたいのですが、今までの先輩の活動があったからこそ、僕たちが一生懸命活動ができているということを忘れてはいけない。
未来に恩を送るという言葉が好きなので、恩を受け取って、その恩をまた自分たちの手で一生懸命磨き上げ、次の世代に残していく。それがどんな業界においても、人生においても大切なことなのだと思うので、今年一年間を送って、またその次も送ってと年々継承していくと自ずと50周年はやってきて、積み重ねた分だけいい会になったり、いい業界になっていくのかなと僕は思います。
その為に、恩を送るために、恩を磨くためにどうしても修練が必要で、色々な委員会での活動の中で、大変な時もあるかと思います。それでも達成するという目標に向かってメンバーが成長していくというのが一番、その成長の中で、繋がりが強固な物になっていって、いずれは業界がうまく盛り上がっていくという、そういう会長方針としては漠然としていることですけど、そういう方向性が何よりも、明日続けていくという繰り返しをすごく大切にしているんで、新しく築き上げていく、それを継続していくことに注力していく、今までと少し違った役割ですが、そういう点を評価してもらって会長にさせて頂いたので、2019年度はぜひ、未来に恩を送る一年にしたいなと思います。
業界を盛り上げるには
中原
会社のことも大自青のこともありますが、その根幹にあります我々自動車業界をさらに盛り上げていかないといけないわけです。
それこそ、継続していくにはどうしていけばいいのか考えないといけないところでもありますが、2019年度、これから我々はどういう風なことで業界を盛り上げていけるとお考えですか?
唐原 自動車業界を見て、少し思うところがあるのですが、仕事をしている人間が、どうしても楽しくなさそうに見えるんです。
中原 それは、僕も同感ですね、僕も思うことがあります。
唐原
子供達に自信を持ってこんな仕事をしているんだ、と言える仕事だと思うので、僕の会社の話ですが、昨日横浜まで納車をさせていただいて、普段納車はそこまで行かないのですが、納車って、会社で整備をした車を販売して、その車を買ってもらう一番最大のイベントが納車だと思うのです。その納車の時にお客様に力といいますか、やってよかった、こんな仕事しててよかったなって思える機会があると思うので、僕は商談に思い入れがあったり、いいお客様に出会った時には納車を任せていただき、遠くても、しんどくてもお客様の元に行き、この車はこんな車なんです、車の歴史や癖まで全てお客様に直接説明します。
そうしてその車のことを解ってもらい、家族の一員として迎えてもらうことで、そんな車を扱わせてもらっている、そのことをみんなが自覚して、もっと仕事に自信と誇りをもつことで業界が盛り上がっていくのだと思います。
意外とお客様との接点があって、親密な関係にならないと、命を預かる車の整備なんて任せてもらえないはずなんです。だから、そこで技術を持っている人たちも、もっと自信をもって、いい仕事していますよと自信をもつことがまず第一歩かなと思います。
そもそも、整備の人たちが楽しく働かなくては、業界を盛り上げられないと思います。
整備は汚れますし、しんどいことも色々ありますけど、そこを省いたら、それだけ信頼を寄せてもらって、思い入れもある車を扱っている整備業はもっと自信をもって、業界としてこんな仕事なんだと後押ししていくべきだと思います。
中原
ここ数年、大自青にも変革期というものを感じていて、さきほど唐原くんが言ったように、仕事をしている人たちが楽しんでやっていると、そこから人が寄ってきて人が増えていくのだろうと思いますし、同時に大自青も会員さんが増えていき、必然的に会が盛り上がっていくのだと思います。
また周りからも入りたいという声もでてきていますし、最近そういった風潮にもなってきているような気もします。
2019年度の方向性
中原
業界の未来についてとよく似た話になるかもしれませんが、盛り上げ方、または将来的にエーミングや新技術に対応していくという話は未来について話していくには切ってもきれない内容になってくるかもしれません。
その辺に関しても、中々、規模や資金面など、色々あるかもしれませんが、大阪自動車青年会議所として見据えるこの一年の方向性とかはありますか?
唐原
新技術に対応する人達の技術工場は絶対的に必要なことですが、そればかりでもいけないのも事実で、「この業界をよくしていきたい!」と思う青年もいっぱいいるので、新技術を勉強しつつ、次年度は何か新しい、もちろん今まであったものでもいいのですが、自動車業界と何かの新しいコラボ、ニューコラボレーションを見つけることによって新発想を産む、そういう委員会を立ち上げました。そういう新しい発想をするということがこの業界の人達は不得意なので、そこを伸ばすことが、次年度の機能なのかなと僕は思っています。
車屋さんですが、普通にお客様が望むのであれば、別に車以外のことでもそのお客様が満足してくれるのであれば、それは、仕事としてやっていいと思っていまして、もちろん車業界で仕事をしているので、僕の会社の話ですが、海外にずっと暮らしている整備士もいっぱいいるので、そんな環境で整備するのも一つだと思いますし、海外からきた人達の車に関わることを全て仕事として請け負うのもありですし、つまるところ、新発想なんです。
それができないと未来については語れないというか、現場のみんなが枠にとらわれないで自分たちで考えて新しいものを作っていくという発想が絶対これから必要になってくると思いますし、プラス、僕たちがこの業界を担う青年なので、リーダーになっていかないといけないと思っています。
そして現在、こんな一地区でも若手が少ない、リーダーがいない、さらに言うと振興会の会長が次できるものがいないという様な自体は、あきらかなリーダー不足なので、僕たちがリーダーとなり、この業界を背負っていける人材を育てるのを一つの議題としてリーダーシップ育成委員会というのを立ち上げ、この一年間はこの二本柱でこの業界のために、それでいて自分たちのために成長できるような一年にしたいです。
中原
流石ですね。僕が一年前に会長に任命される前、そこまで考えて色々プログラムを作ったのかなと思い返しながら色々反省をしていたのですが、僕の前会長だった辻野さんも唐原くんのようにきっちりとプロセスを組んでやっていくタイプの方だったので、感心しました。
僕はどちらかというとばーっとやっていくタイプで、ここ数年の会長さんたちを思い出すと、プロセスを組んでいくタイプと僕と同じタイプと色々、その会長、その会長で特色がでていて楽しいなと思います。
会長ごとに違う特色が委員会をマンネリ化させない感じなっているのかなと思います。
唐原 それが一年だからこそいいのかもしれませんね、2年、3年と続けてしまうとどうしてもマンネリ化してしまい、組織内が緩んでしまいますが、一年間という期限が青年としての成長にちょうどいいタイミングなのかもしれません。
新会長の意気込み
唐原
今まで、10年以上、11年目ぐらいに入らせてもらって、しんどい時も当時は多かったのですが、大自青に入ってよかったなと今思っています。
これから入ってくる人も、すでに入っている人も、大自青に入ってよかったなって思ってもらうこと。
僕自身、この会に入らせてもらって、10年がたつのですが、今もしこの会にはいっていなかったらと考えると、すごく怖いです。
もしはいっていなかったらどうなっていたのだろうかと考えて、ずっとそのまま会社の仕事を一生懸命やって、それなりに売り上げも出して、会社も安定できているかもしれませんが、ベースとなる精神といいますか、考えなどがまったく変わらないまま、経験を積み上げていくこともないままおかしな方向に行ってしまっているんじゃないかと、すごく恐れています。だから、心から大自青に入れてよかったと思いますし、この会で僕が得たものを広めていき、1人でも多くの新しい仲間を見つけていきたいです。
中原 不思議な関係という言い方はおかしいかもしれませんが、同じ自動車業界で、ライバルで、本来ならば、商売敵という関係の中で、我々業界人が同じ釜の飯をくうというイメージで、切磋琢磨し、また刺激を与え合って、本当に会議所としては本当に素晴らしい場所だと思いますので、僕も入ってよかったなと思います。
唐原 そんな会に一年間もっともっとしていきたいという気持ちが強いですね。
株式会社タック JIMKENTAC
平成31年度会長唐原 健太郎
株式会社ナカハラサトシ
平成30年度会長中原 智